カムカムエヴリバディ(12/16)

5年間続いたカムカム英語が終わってしまいました。つまり終戦から5年が経ったということです。安子の住む岡山の復興はずいぶん進み、私立の小学校が新しく開校し、るいが入学することになりました。かねてから千吉さんが「るいには雉真の子としてふさわしい教育を受けさせてやりたい」が言っていた、その教育が私立の小学校からスタートするのでしょう。学校の制服は雉真繊維が作るもので、勇が後継者として着々と力をつけてきていることが窺われます。

 

カムカム英語が無くなって英語の学習が中断してしまった安子ですが、ロバートの開く英語教室で教材作りの手伝いをすることになり、また英語と関われることになりました。

 

このロバートは、稔と相似形のような関わり方を安子に対してしてきているようです。安子の売るおはぎを買う客としてやって来る2人。岡山と大阪を行き来しながら安子と親しくなっていく2人。そして、定一さんの店でルイ・アームストロングのon the sunny side of the streetを安子と聴く2人。

そして今日の、神社で木もれびの明るい場所を歩くロバートと安子の姿は、雉真の家の中の暗さと対象的に描かれ、稔の「ひなたの道を歩いてほしい」という願いを外国人のロバートが体現してくれている(弟の勇の方ではない)皮肉が描かれているように思います。

 

また、雉真家で働く女中の雪衣さんの(算太に対して)発した厳しい言葉は、世間が安子をどう見ているか、視聴者がどう見ているかを代弁しているようでもあり、この時代はもとより、現代であっても妻であり母である一人の女性がどうあるべきか、どう生きるべきか、自分の行きたい道を行こうとする女性を見る目がいまだ厳しいものだということを示すものであるかもしれません。