カムカムエヴリバディ(11/25)

安子の父である金太さんが、小しずさんたちの死を乗り越えてバラックを建てて商売を再開した矢先の死が描かれました。空襲後、飲まず食わずで寝込み、ようやく元気が出てきたところで隙間風吹くバラックに寝泊まりしていましたから、安子が「寝泊まりは雉真の家でしたらどうか」と心配していました。その心配が当たってしまった形でしょうか。

 

金太さんがおはぎを箱ごと持たせた少年の声が聞こえ、戸を開けたら算太が立っていた…。ここからの5分間は金太さんの亡くなる間際の夢のようなものでしょうか?いや、少年は金太さんとの約束を守り、お金を手に持って戻ってきたのではないでしょうか。少年が戻ってきて算太が生還することを確信した金太さんが、少年の話を算太の声のような思いで聞き、そして安心して天国へ旅立ったのではないかと思います。

 

そして算太は「こんなんじゃけど、まだわしが生きとる。安子も生きとる。そうじゃろ?」と言ったんですよね。きっとしぶとく生きていて、帰ってくることが示されたように思います。

 

Twitterなどを見ていると、カムカムの面白さや構成の巧みさを語る時に、他の作品を引き合いに出して「○○に比べるとカムカムはすごい」などと語る方もいらっしゃいます。何かを褒める時に他の何かをわざわざ貶す必要は無いと思いますし、そんな褒められ方をしてもカムカムの制作陣は心底喜べないのではないでしょうか。