カムカムエヴリバディ(12/3)

安子とるい親子のもとを訪ねてきた千吉が、岡山の雉真の家に戻ってくるように勧めました。るいが、おじいちゃんに店のおはぎを勧めて、それを美味しい美味しいと言って食べて値段を安子に聞き、その値段から生活が楽ではない確信を得て、このままでは雉真の大事な孫であるるいの教育も心配であることを話して聞かせました。

 

この千吉の言葉が安子の中に焦りを抱かせました。るいに満足な教育を、そのために余裕のある収入を。人が変わったようにおはぎを大量に売るべく営業をする安子。るいと一緒にカムカム英語を聴く余裕も既にありません。ラジオから「この講座はできればご家族何人かでお聴きになる方が」という優しい声が流れますが、安子の耳にはもう入りません。

 

そうして起きた事故で安子は腕を骨折、大八車から落ちたるいは額に大きな怪我をしてしまいました。千吉が病院へ連れて行くも、当時の医学では一生残る傷だと言われ安子は泣き崩れ、岡山へ戻る決心をしたのでした。

 

以前から、安子パートは昔話ではないかと思いながら見ていたのですが、今日の回でかなり確信に近いものになりました。

おばあちゃんが昔の思い出を語る時、その話は時に曖昧だったり大袈裟だったりします。稔さんがただただ美しく語られ、悲劇はエモーショナルに。おはぎを大量に作った話は数字が盛られ、事故の直後は自分が見ていないのでドライバーも人だかりも語られない。

安子の見たもの、覚えていることが語られる、それが安子パートではないでしょうか。

 

しかしそれも最後まで物語を見ないと分からないこと。まだ1ヶ月ちょっとしか見ていないのに、そうそうに判断できるものではないと思います。それが朝ドラ。最後の最後に私たちを唸らせる緻密な設定が全貌を現すと信じて、この先を楽しみにしたいと思います。